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博多人形
博多人形に込められた夢とはかなさ
私の実家にはガラス製の人形ケースがあります。
大小さまざま、種類もいろいろの人形がその中に飾られています。
そこに、一体だけ博多人形があります。
で、この博多人形、ちょっと怖い。
怖いというのは顔が怖いとかいうことではなくて、取り扱いに注意しないといけないという気持ちがはたらいてしまう、ということ。
博多人形は素焼きの人形ですから、ぶつけないように、落とさないように。また、紙か布を添えて持つように、とも言われてきました。
落としたら割れる、でも直接手で持つのもだめ。だからちょっと怖い、というわけですね(^_^;)。
でも決してこの人形が嫌いなわけではありません。
独特のふくよかさが温かみをあたえてくれるので、見ているだけならほっとする。博多人形って、そういう部分を持っていると思います。
ところで、博多人形が伝統工芸品に指定されてるって、ご存知ですか?
伝統工芸&伝統芸能好きとしては放っておけません(笑)。
この手の関係でいつも噂されるのは後継者不足の問題なので、博多人形に関してはどうなのかなぁと調べてみたことがあります。
博多人形の人形師さんでは、井上和彦さんという方がいらっしゃいました。
おじいさまの代から続く「井上博多人形工房」の人形師さんで、22歳から5年連続で与一賞(博多人形師の登竜門と言われる賞です)を受賞したという方です。
若手として期待されてもいたようで、私もいつかこの方の博多人形をじかに見てみたいと思っていたのですが……今年(2007年)の3月に急逝されてしまいました。
私は少し日にちがたってからこのニュースを知り、「ああ、やっぱり怖いな」と思ったものです。
わかるでしょうか。人形を落として割ってしまったときのような、突然の喪失感。
今後、博多人形を見るたびにこの喪失感を思い出すのではないかと思わずにいられない今の私なのでした。